いわゆる「いい人」をやめて、自分軸で生きたい。そう思う人は、まずまわりの人にわがままを言ってみること。
そうすると、意外とまわりの人はわかってくれる。許してくれる。会社のメンバーが当たり前のように参加する飲み会を「疲れたので」という理由で帰ってみたら、笑って許してもらえたエピソードは先日記事に書きました。
その記事はこちらです↓
そうなんですよ。僕達が思ってるよりずっと、他人はあなたのことをわかってくれています。なかなか、そう思えないですよね?
わかります。僕も一年前くらいまで、同じように思っていましたからね。会社の人には僕の考えは理解できない。わかってもらえない。10年近く、その悩みを会社で抱えながら生きてきました。
正直、ずっと苦しかったです。10年近く、毎日「会社に行きたくない」と思ってきましたからね。我ながら、よくがんばってきたなぁと思ってます。
そんな僕ですが、今はそんなに会社に行くのが嫌ではなくなりました。「楽しくて仕方がない」とまでは言いませんよ。
ただ、そんなに嫌ではないんです。これは以前と比べれば、自分の中では大きな変化なんです。日々生きていくのが圧倒的に楽になりましたからね。
その理由は、今の僕はまわりの人に「わかってもらえない」とは思ってないからです。
以前は「わかってもらえない」と思っていたのが、なぜ「わかってもらえる」と思えるようになったのか。あなたもきっと、知りたいでしょう。
わかりました。今日は僕の経験を踏まえて、説明していきましょう。
準備はいいですか?それでは、まいりましょう。
入社したばかりの頃は「わかってもらえてる」と思っていた
僕が会社で「わかってもらえない」と思いはじめたストーリーですが、実は入社したばかりの頃から始まったわけではないんですよ。
むしろ入社したばかりの頃は、まわりの人から「わかってもらえている」と思ってたんです。意外でしょう?
それは入社当時の先輩や同期社員に恵まれていたのが大きかったと思います。あとは、当時は自分と同僚の価値観が似ていたというのも大きなポイントだったんでしょうね。
僕は大学時代、体育会のテニス部に所属していたのですが、僕の会社も風土は体育会に近いと思います。だからこそ、入社できたんだとも思います。
価値感が同じ人達と仕事をするのは楽しいことだと思います。少なくとも当時は、同僚とのコミュニケーションにストレスを感じることは少なかったように思います。
入社2年目くらいからは、毎日のように先輩や同期社員と飲み会に行っていました。楽しかったですよ。今の僕を知る人からしたら、ちょっと想像できないかもしれませんね。
そうして会社の風土に染まって働いていたのですが、あるきっかけで出会った一冊の本で、僕の価値観は一変することなります。
その本こそ、後に出会う吉越浩一郎さんの書いた「2分以内で仕事は決断しなさい」でした。
一冊の本から、外資系トップの働き方に憧れ、まわりと価値観がズレはじめる
実はこの本はある日、実家のソファでくつろいでいた時に父親から「この本おもしろいよ」とポンと渡されたことが読むきっかけだったんです。それが人生を左右してしまうわけですから、人生っておもしろいですよね。
当時はまだ本を読む習慣がなかった頃でしたが、吉越さんの本はすぐ読破しましたね。それくらい、当時の僕にとっては衝撃的な内容でした。
何がそんなに衝撃的だったのか、ですか?
そうですねー、僕にとって吉越さんの働き方はまさに理想的だったんです。仕事は即断即決。トップダウンで企業のトップとしてどんどん決断していく様。そして社員の「残業ゼロ」を実現しながらも、19期増収増益という成果も出されていました。
会社に入ってから、自分がどんな風になりたいのか。そこがあまり見えてこなかった僕にとっては、「この人みたいになりたい」と思える明確な目標ができた時だったんですね。
そこからは、まず吉越さんの本を全て読むことからはじめました。
外資系の働き方にも憧れるようになり、外資系の方が書いている本もよく読みましたね。そうして、少しずつですが、僕の価値観はいわゆる外資系に染まっていってしまったのだと思います。
そうして外資系の価値観に染まっていけばいくほど、次第に会社の同僚達と価値観が合わなくなっていったんです。
会社で当たり前のようにやっている様々なことが、不合理だと感じるようになっていったんですね。
和を大切にする企業風土に違和感を感じはじめる
例えば会議です。
吉越さんをはじめ、外資系の会社では会議は「何かを決定する場」と捉えられているようですし、本来僕は会議とはそのためにあるものだと思っています。
決定する権限を持った人が議長をし、進行をすすめる。議題に対して、議論をへて決定する。これが会議のあるべき姿だと僕は考えています。
しかし僕の会社では、(多くの場合)決定権がない人が会議の進行を進めます。そして議題に対して参加者がそれぞれ意見を交わすのですが、なんとなくみんなの意見がまとまるまで、決定権を持つ人は自ら決定を行わないことが多いように感じます。
そうなると、決まる意見も、みんながなんとなく合意できる内容となりますから「玉虫色」になります。合意形成に至るまで多大な時間がかかりますうえに、です。さらに言えば、情報共有をし、何も決まらないまま会議が終了することもあるように思ってました。
和を大切にする日本企業では、この会議の形式は当たり前なのでしょう。しかし外資系の価値観に染まりつつあった僕からすれば、数分で決められることが1時間以上かけて決められることが不合理だと感じてしまうようになっていました。
会社の飲み会にも違和感を感じるようになる
また、会社の飲み会にも違和感を感じるようになっていきました。
飲み会に出るくらいなら、勉強したい。あるいは早く帰って睡眠時間を確保したほうが、翌日の仕事の効率が良くなる。当時はそんな風に考えるようになっていました。
上司や同僚は毎日のように同じメンバーで遅くまで飲みに行っていました。彼らにとってはそれは仕事の一環だったのかもしれません。しかし僕は時間のムダだと思っていたので、極力参加しないようにしていました。
上司や同僚はそんな僕をこころよく思っていなかったように思います。一次会で帰ったら、先輩から電話がかかってきて、呼び戻されるなんてこととありました。
こんな感じで、ざっくり言えば、和を大切にする雰囲気の中、一人だけ合理性を追求した働き方、考え方で働いていたんですね。空気を読めないヤツでした。
そうすると当たり前ですが、仕事の進め方ややり方がまわりと合わなくなっていきます。次第にまわりとうまくコミュニケーションも取れなくなっていきました。
部下に考えを押しつけて反発される
例えば部下から仕事の相談を受けても、他の人であれば丁寧に話を聞いて一緒に合意形成を図ろうとする中、僕の場合はトップダウンで即断即決をしようとするわけです。そうすると、部下からすれば「話を聞いてくれなかった」と感じたりします。
また、昔の僕は自分の考えは絶対的に正しいと思っていたことも、まわりと上手くコミュニケーションができない一因になっていましたね。同僚より勉強をしている自負が、その過剰な自信につながったんだと思います。
「部下は僕の言うことを聞けば結果は出るのに、なぜ部下は僕の言うことを聞かないのか」。ふり返れば、常にそんな風に思っていたように思います。思い出すだけで恥ずかしくなりますよ。
そんな感じだから、部下との関係もうまくいかなかったんですね。
僕が「言うことを聞けー」というスタンスで臨むから、部下も「聞くかー」と同じくらいのエネルギーで反発するんです(笑)。
だから15分で終わる話が、2時間くらいかかってしまうこともザラにありました。
会社に滅私奉公していたのに同期より昇進が遅れる
あれは入社6年目くらいの頃でしたね。当時は最も働いていた時期で、朝7時から夜9時まで働いていた時もありました。ワークライフバランスを意識してたからこそ、9時には帰ってましたが、それでも仕事は全然終わりませんでした。
平日はとにかく仕事に追われていたんですが、仕事で成果を出したかったので、アイデアをひねり出すような仕事は週末に近所のマクドナルドでやってました。
しかし、です。
これだけ全力で仕事に取り組んでいたのに、会社では評価してもらえなかったんです。それどころか、入社7年目になった時には、同期の中で一定数が昇進する中、あろうことか僕は昇進を逃すという出来事にあいました。
自分の考えが絶対的に正しいと考えていた、この僕がです(苦笑)。当時僕がどんな気持ちだったか、想像できますか?
なぜ会社が僕にそんな評価を下したのか。今ふりかえれば、納得はしていませんが、わかるところもあります。
会社の人間に対して疑心暗鬼になる
上司達から見たら、簡単に言えば、価値観が大きく違う人間が一人独走した結果、和を乱していたということなのでしょう。それが組織にとってマイナスだと評価されたんだと思います。
しかし僕はここまで書いてきたように、猛烈にがんばっていたわけです。組織を良くしようと、私心を排して滅私奉公してきたつもりでした。その分、評価されるどころか昇進が遅れてしまった。
キズは深かったんでしょう。その頃から僕は会社の人間に対して疑心暗鬼になっていきました。「信じられるのは自分と家族だけ」。そんな風に、思うようになりましたね。
こうして、「会社の人に僕はわかってもらえない」。そう考えるようになっていってしまったのです。
おっと、つい長く話しこんでしまいましたね。ここまでが、僕が会社で「わかってもらえない」と思うようになった経緯です。
今日はこの辺にしておきましょう。次は「わかってもらえる」と思えるようになった変化のストーリーを書いていきますね。
それでは、また!
投稿者プロフィール
- 東証一部上場の金融機関で「残業ゼロ」を2016年4月から実践しています。セミナー講師。シゴタノ!主宰のワークショップの非常勤講師も務めています。詳しくはこちら
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