仕事術の本を読むと例外なく「無駄な仕事を減らせ!」と書かれていますが、「そもそもどうやって仕事の無駄を判別したらいいのだろう?」と悩んでいたりしませんか?
こんにちは、「残業ゼロ」サラリーマンの滝川です。
あなたの気持ち、わかります。どの仕事が無駄か判断がうまくつかないから、今あなたは仕事に忙殺されているわけですよね。
「無駄な仕事を減らせ」と言われても、「そんなことはわかってるわい!」とビジネス本の著者に殺意を抱いてしまう気持ちもわかります。
僕も以前はそうでした。僕は現在東証一部上場の大手金融機関に勤めていますが、朝7時から21時まで働いていた時期を振り返ると以前の自分は一言でいえば「手の抜き方が下手くそだったなあ」と思います。
無駄な仕事の見極め方を知っていたら、同じ仕事量でも残業をほとんどせずにすんだかもしれないと今なら思うのです。それくらい、無駄な仕事を見極める知識を持っているか否かで、あなたの仕事の生産性は大きく変わってきます。
実際これから書くノウハウを実践したら、僕は同じ会社で「残業ゼロ」を実践できるようになりました。
その経験は運良く出版につながり、今年の4月にはあの有名ブログ「シゴタノ!」のタスクカフェで「残業ゼロのタスクシュート入門」というテーマで登壇することもできました。
残業ゼロのタスクシュート入門はこちら↓です
さらにあなたに驚くべき事実をお伝えしましょう。
実は会社で仕事を評価される人達は無意識にこれから述べることをやっています。彼らは生まれ持ったバランス感覚から、どうやったら人に評価されるか、本能的に理解しているのです。く、悔しいですよね‥。
え?「自分にはそんな才能がないから無理?」。そんなあなたでも大丈夫です。これから書くことをあなたも理解して実践すれば、出世できるかどうかは別として、生産性を上げることは確実にできるようになります。
是非仕事の本質を理解して、今日からの仕事に早速活かしてほしいと思います。
準備はいいですか?それでは早速まいりましょう。
1.サラリーマンにとって、無駄な仕事とはなにか
サラリーマンにとっての無駄な仕事。それは一言で言えば、評価されない仕事のことです。
もう少し厳密に言えば、投資する時間に対してどれだけ評価をもらえるか。これを基準に考えるといいでしょう。これだとよくわからないという人もいると思うので、もう少し説明しましょう。
まずはじめにあなたが知らなければならないことは、「一体どのようにあなたの人事評価が決まっているのか」なのです。
2.人事評価はどんな風に決まるのか
あなたは自分の評価が会社でどのようなプロセスで決まっていくか知っていますか?
もし知らないのであれば、会社の飲み会で上司に酔ったふりをして無理矢理にでも聞き出しましょう。これからお話することはそれくらい大切なお話です。
一般論としてお話しますと、(直属の上司が大きな影響力があることは前提で)、人事評価は合議で決まります。大きな組織になればなるほど、その傾向は強まります。もちろん、会社の体質によって例外はあるでしょう。
しかしたとえ合議であったとしても、最終決定権が誰にあるのか。あるいは、キーパーソンが誰なのか。このあたりを理解しておく必要があります。
たとえば自分が所属する部門の部門長が最終的に決定権がある。自分の課長の発言権はいまいちだが、あそこの課長は発言権があるなど、合議で評価が決まるにしろ、誰が自分の人事評価に大きな影響を与えるのか。少なくとも仮説は自分の中にもっておくのがいいでしょう。
そのうえで、無駄な仕事を見極めるには、これからやろうとしている仕事が誰の目に触れるのか。ここを意識することが重要となってきます。
3.その仕事は誰の目に触れるのかを意識する
今から自分がやろうとしている仕事が一体誰の目に触れるのか。これからはこの点を意識してみましょう。
たとえばこれから取り組む仕事があなたの評価を決定する部門長の目に触れるなら、その仕事は無駄でない可能性が高まります。こういったケースでは、他の仕事に比べた場合、丁寧に取り組むようにします。
ここで、自分の人事評価を決定する最も大きな影響力があるあなたの上司の目に触れる仕事は?と疑問が生まれたかもしれません。
忘れてはいけないのが、ここでの論点は「効率」だということです。
4.効率よく評価を得るためには評価者の「仕事を見る頻度」が鍵
あなたの上司は(その人がよほど無能でない限りは)日頃からあなたの仕事を見る機会が多々あるはずです。したがって、あなたの評価はある意味「総合評価」になります。
しかし、あなたと普段接点はそう多くないであろう部門長などの場合、そもそも直にあなたの仕事を見る機会はそうないわけです。
たとえばあなたの直属の上司が月に10回あなたの仕事を見ているとして、部門長は月に1回だったりするわけです。
そうなった場合、直属の上司に提出する1回の仕事と、部門長に提出する1回の仕事。どちらに多くの労力を割くのが得策でしょうか。いうまでもなく、後者ということなのです。
この目に触れる頻度というのは、効率よく評価を得るために大切なことなのです。ちなみにこういう観点で考えはじめると、会社の懇親会での立ち回り方も全く違ったものになります。
5.評価されることを主眼におけば、飲み会での立ち回りも変わってくる
僕自身は会社の懇親会にはもうほとんどいきませんが、もし僕が出世を目指していたなら、たとえば他の課の課長と意識的に接点を作って、愛想よくふるまったり、意識して良い印象を持たれるようにするでしょう。お酒だって、笑顔でつぎましょう。
これも、自分の人事評価に合議の際に影響を与える他の課の課長との接触頻度が少ないからこその戦略です。この人達とは仕事でもほとんど接点がないわけですから、貴重な接触機会となります。
人事評価が決まる合議の場で「あいつはなかなかいいぞ」という話になった時に賛同してもらえる人を増やしておくということです。
「なんかめんどくさいなあ」と思いましたか?それはそうでしょう。だから僕は出世することに興味を失ってしまったのです。
まあそれはさておき、出世をしている人達というのは、実はこうしたことを無意識にやっているのです。だから差がついているということをあなたには知っておいてほしいと思っています。
ところであなたは自分の会社でどういう人が評価されるか、知っていますか?
もしあなたが効率よく出世したいならこれも知っておかなければいけませんので参考までに書いて起きましょう。
6.組織で評価される人はズバリ「空気が読める人」
結論からいうと、組織が大きくなればなるほど、「空気を読んでまわりにうまく自分を合わせられる人」が評価されます。
まちがっても仕事の実力で評価されると思わない方がいいでしょう。担当者として一流になるならとにかく、もしあなたが管理職となりマネジメントを担いたいなら、なおさらです。
あのベストセラー「人事部は見ている」の著者の楠木新さんも著書「「こころの定年」を乗り越えろ」で「そもそも会社員はスティーブ・ジョブスになれない」と名言を書いていることからもわかります。
同書から以下に少し引用しましょう。
会社員として毎日出社して働くことができる人は 、スティ ーブ ・ジョブズになるのは無理だ 。身もふたもなく言えば 、天性の才能がなく 、飛び抜けた個性もないからこそ入社して働き続けることができるのである 。
つまり、あなたが自分の才能を開花させてスティ ーブ ・ジョブズみたいになると、出世はできないということです。
なぜこんな理不尽なことが起きるのでしょうか?
それは会社が成果を生む仕組みを理解すると、すっきり理解できるようになります。その仕組みとは、会社は歯車が相互に作用しあうことで成果を出しているということです。
7.会社は歯車が相互に作用することで利益を生み出している
会社とは、いわば大きな歯車がいくつか相互に作用し、大きな成果を作り上げています。
ではその前提に立った時、会社の代表や役員、その他の人を束ねる立場に立つ人の最も大切な役割はなんでしょうか?
それは、歯車がうまく噛み合って滞りなく成果をきちんと生み出すことです。
そのために一番簡単な方法は、チームワークを円満に保つことです。もう少し噛み砕いた言い方をすれば、嫌われないように、当たり障りないようにふるまうことです。
それが上司であろうと、部下であろうと、他の部署の人間であろうとです。会議では、決して人に嫌われるような本音トークを晒してはいけません。全員に好かれるように、もっともらしくシレっと言いたいことを発言できるスキルがあると出世します。
こうした努力を続けて、ようやくあなたは仕事がデキると認められ評価されるのです。
正直に告白しましょう。昔の僕は勘違いしていました。上司たるもの、リーダーシップを発揮して、トップダウンで物事をビシバシ決めるのが当たり前だと思っていました。
しかし大きな組織ではむしろこういう人は迷惑と評価されます。歯車が円滑に回ることを阻害する因子として評価されるからです。
いずれにせよ、こうして自分の人事評価がどのようになされるかということを理解したうえで、誰の目に触れるかという観点を意識して取り組むのは効率的に評価を得るために大切なことです。
そして無駄な仕事か否かを見極めるもう一つ大切なこと。それは仕事の性質を見極めることです。
8.仕事の性質を見極める
仕事の性質を見極めるとはどういうことか。それは端的にいえば、その仕事がタスクを完了した時にきちんと評価が得られるような仕事か否かを考えることです。
たとえば単なるチェック業務であれば、仕事を完了し上司等に納めたところで大して評価されることはないでしょう。それはルーティン業務も同じです。
ここについては、先程でいえば部門長であったり、他の人事評価者がどういった仕事を評価しているのか。日頃から観察し、自分の中のセンスを高めていく必要があります。それこそが、無駄な仕事か否かを見極めるということに他なりません。
この見極めには、80対20の法則について知っておいたほうがいいでしょう。
9.80対20の法則とは?
あなたは80対20の法則を知っていますか?
仕事に当てはめて簡単に説明すると、あなたの仕事の成果の8割は2割の仕事が生み出しているということです。逆にいうと、8割の仕事は無駄か、ほとんど成果を生まないということです。
今あなたの心に何か突き刺さりませんでしたか?
僕はこの法則と出会った時、衝撃を受けました。「その通り!」と腑に落ちたからです。まさにモヤモヤと日頃感じていたことを、ビシっと言ってくれた。そんな気持ちでした。
それでは自分の仕事の中で、重要な2割の仕事はなんなのか。それは今まで書いてきたことからも判別できると思います。自分が今までどんな仕事が評価されてきたかを思い返すことからもこれはわかるはずです。
営業の仕事をしている方はわかりやすいのではないでしょうか。自分の売上の8割を稼ぐ2割の顧客に注目すればいいのです。また、単純に仕事のインパクトや規模が大きい、あるいは、関係者多いというのも判定するキーの一つになるでしょう。
こういった仕事はやはり多くの人の目に触れますので、成果が目立ちます。こういった仕事を上手にこなせれば、「あいつはなかなかやるな」という評価になるというわけです。
80対20の法則について理解ができたなら、最後にあなたに知ってほしいのは仕事を与える側の目線で仕事を考えることです。
10.仕事を与える目線で仕事を捉える
たとえば本社部門から全国的の全拠点に一斉に拠点内のレイアウトを整理しろという点検業務の指示があったとしましょう。
この仕事の場合、まず考えたいのは仕事を出した側の人の「仕事の目的」です。この場合、僕であれば、その指示者は「指示を出すこと」が目的と考えます。
それはたとえば毎年同じ仕事であれば、タスク完了後に指示者からフォローがあるかどうかでわかります。すなわち、こういった指示を本社側が徹底するつもりがあるかどうかです。
これは私の考えにすぎませんが、一般的に大企業は「会社全体にそういった指示をすること」自体が仕事の目的になりえるわけです。であれば、当たり前ではありますが、この仕事は無駄な8割の仕事に該当することになります。
その時は形だけ整えて、まさに「手を抜いて」仕事をしましょう。ただし手を抜く時は、きちんとその仕事の性質を見極めるのは大切です。
その仕事を適当にやることで会社のとって大きな問題が起きるか否かのチェックはしておくべきです。
11.仕事を適当にやっても弊害がないか検討する
例えば先程の例のように、レイアウトを整理する仕事を多少手を抜いても、対外的には何も問題は起きないでしょう。
一方、会社に損害を与えるような仕事なら、当たり前ですが手を抜いてはいけないわけです。こういった観点をもっておかないと、大きなミスをすることになりかねません。
ただしこれは私見ですが、会社員で個人に割り当てられる仕事で会社に大きな影響を与える仕事はほとんどないと考えます。少なくともそういった仕事であれば、必ず複数の目でチェックが入るはずです。
その前提にたてば、個人あるいは組織内で完結するような仕事の場合はまず大抵の仕事は適当にやれば問題ないということになりそうです。
もう一つ。たまに上司から仕事を依頼されて、「これはやる意味があまりないな」と感じることはありませんか。
そんな時は、思い切って「その仕事はやらない」というのも無駄な仕事の選別方法になります。
12.仕事をやらないという選択肢を持つ
文字通り、仕事を放置してみるのです。
怖いですか?実は大丈夫なのです。本当に大切な仕事なら、上司から必ずフォローが入るはずだからです。もしフォローが入らないなら、それはその仕事は重要ではなかったということがわかります。
仕事を放置してみることは、仕事の重要性のリトマス紙になるのです。このスキルも大切ですので是非試してみてください。
最後に
ここまで読んできていかがでしたか?
昔の僕が知りたかったことを、ここでは書いてみました。こうしたことをもっと若い時に知っていたら、もっと早くに会社人生を楽に過ごせたかもしれないと今では思います。
会社は大きくなればなるほど矛盾を抱えます。それは組織である以上、避けられないことです。では会社で働く僕たちはどうやって生きていけばいいのか?
大切なのは、私達が正しい知識を持つことです。
一つには、こうした仕事の本質や会社の仕組みを知った上で自分にあった働き方を選ぶことなのではないでしょうか。
会社で出世を目指すなら、ここまで書いてきたようにかなり戦略的に行動していくことが大切になります。
自分の主張を通すよりも、他人に合わせる生き方を余儀なくされることを覚悟しなければいけません。それが苦でない人が目指す修羅の道ということになります。
一方、あなたが出世にこだわっていないならクビにならない程度に会社に貢献しながらQOL(Quality Of Life)を追求していくことです。
そのためには、まさに無駄な仕事を見極める能力が大切になってくるというわけです。いかに手を抜いて仕事をしながら、成果を出すかが大切になります。
このスキルを極めることができれば、僕のように会社にいながら自由に生きるという選択肢を手に入れることもできるでしょう。
そうして仕事以外の人生を大いに楽しむ。そういう生き方もありだと思いませんか?
もし僕の生き方に興味が湧いたら、拙著も是非読んでみてください。会社を独立しなくても会社で自由に働けることに気づくきっかけになったら僕も嬉しいです。
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今日はこのくらいにしておきましょう。それでは、また!
投稿者プロフィール
- 東証一部上場の金融機関で「残業ゼロ」を2016年4月から実践しています。セミナー講師。シゴタノ!主宰のワークショップの非常勤講師も務めています。詳しくはこちら
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